MN-166

DCM(変性脊椎頸椎症)

DCM(変性脊椎頸椎症)とは?

頸椎脊髄圧迫によって引き起こされる麻痺(まひ)と定義されており、脊髄神経の圧迫は、麻痺、うずき、痛み、頸部の硬直、腕・手・指の痛み・痺れなどの神経学的機能不全につながります。DCM患者は、バランスおよび歩行の不調、協調運動障害、腕、肩または手の筋力低下、リズム筋攣縮、筋肉硬直、筋肉喪失、過度神経反射および膀胱・直腸機能障害など、さまざまな症状を呈します。

患者数など病気の規模は?

米国神経外科学会によると、脊髄または神経根の圧迫を緩和するために、毎年20万件以上の手術が行われています。

現在ある治療法は?

治療の選択肢には、手術をしないで治療する保存療法と外科的手術があります。症状が軽い場合は保存療法で対処します。保存療法には症状を緩和するために消炎鎮痛剤、ステロイド、筋弛緩剤を用いる薬物療法、牽引機器を用いて頸部牽引を行う理学療法、頸椎カラー(運動制限のため頸部に装着する装具)装着療法などがあります。神経症状が進行する場合、画像診断で脊髄圧迫が明らかな場合は外科的に減圧手術を行います。脊髄への圧迫を減らすことで神経症状の改善や将来の神経症状の進行を予防します。現在、DCMの神経症状を改善、神経症状の進行を遅らせる薬はありません。

MN-166への期待は?

外傷性脊髄損傷動物モデルにおいて、PDE-4(ホスホジエステラーゼ4)を阻害することで神経再成長を促進することが示されています。脊髄神経の再成長は、DCM患者において頸椎神経機能の部分的または完全な回復をもたらす可能性が期待されます。MN-166の主要作用機序の一つはPDE-4阻害作用で、このPDE-4阻害作用が外科的脊髄減圧術に加えて神経症状の改善や進行を遅らせる手助けになると期待されています。

メディシノバの治験について

現在進行中の臨床治験「RECEDEスタディ」は、頸椎減圧手術前後補助療法としてのMN-166の有効性を評価するもので、多施設・無作為化・二重盲検・プラセボ対照試験です。治験参加者は、頸椎減圧手術の2~3カ月前に無作為に振り分けられ、MN-166またはプラセボが投与されます。投薬治療は8カ月間です。本治験はパート1とパート2に分けられ、パート1では25~80人の登録を予定し、パート1、2で総計300〜350人の被験者を登録予定です。本治験はイギリス国立疾病研究センター(NIHR)から研究助成金を受け、ケンブリッジ大学病院NHS(National Health Service)財団と共同で行われています。

タイトルとURLをコピーしました