MN-166

ALS(筋萎縮性側索硬化症)

ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは?

ルー・ゲーリック病とも呼ばれるこの疾病は、中枢、末梢の運動神経細胞にダメージを及ぼす進行性の神経変性疾患です。運動神経が障害を受けることで、筋肉への指令が届かなくなり、筋肉が萎縮し弱まっていきます。病状が進行するにつれて、思うように体を動かせなくなります。病状末期には全身の運動麻痺に至り、呼吸筋が弱まり人工呼吸器などの補助が必要になります。進行速度や症状の程度には個人差がありますが、発症してからの余命は3~5年と言われています。

患者数など病気の規模は?

米国ALS協会などによると、米国でのALS患者は約2万人で、毎年約5,000人の方がALSと診断されています。また、 CORDIS(欧州共同体研究開発情報サービス)によると、EUにおける患者数は約5万人と見積もられています。

現在ある治療法は?

現時点で米国で承認されているALS治療薬としては、リルゾール(商品名:リルテック、後発品もあり)とエダラボン(商品名:ラジカット)という薬があります。余命を2~3カ月延ばす、人工呼吸器を必要とする(呼吸不全)ことを遅らせる効果があると言われています。

   

MN-166への期待は?

近年ALSを含む神経変性疾患の病因として、本来は細胞核内にあるべきタンパク質が異常構造になり核外で凝集体を形成していることが解ってきました。私達の体には異常タンパク質を分解して除去する仕組みが備わっており、その仕組みはオートファジーと呼ばれます。最近の研究で、MN-166にはALS発症に深く関与する異常タンパク質TDP-43の凝集を抑制すること、異常タンパク凝集体で誘導された神経毒性・細胞死を抑制すること、異常タンパクの除去(オートファージ―)を増強する効果などが明らかになりました。またMN-166には神経炎症を抑制したり、神経栄養因子を増強する効果も知られておりこれらの複数のメカニズムがALSの病態進行を遅らせる可能性を期待されています。

メディシノバの臨床治験について

今までに2つの臨床治験が終了し、現在は1つの臨床治験が北米(米国・カナダ)の多施設で進行中です。現在進行中の臨床治験「COMBAT-ALSスタディ」は、多施設・無作為化・プラセボ対照・二重盲検・12カ月間二重盲検投与期間と6カ月のオープンラベル継続投与期間というデザインでMN-166の効果及び安全性を評価します。主要評価項目は12カ月時点でのALSFRS-Rスコアのベースラインからの変化・生存期間です。

薬事規制における指定などに関して

米国食品医薬品局(FDA)からALSの適応においてファストトラックの指定承認、オーファンドラッグ(希少疾患治療薬)の指定承認を受けています。欧州医薬品庁(EMA)からオーファンメディカルプロダクト(希少疾患医薬品)指定を受けています。

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