現在進行中の臨床治験

MN-166

MN-166(イブジラスト)とは

MN-166は経口摂取可能な低分子化合物で、様々なメカニズムが知られています。主なメカニズムはホスホジエステラーゼ(PDE)-4および10の阻害作用、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)阻害作用、Toll様受容体4(TRL4)阻害作用などです。
ホスホジエステラーゼ(PDE)は細胞内のcAMP、cGMPを分解する酵素です。PDE阻害薬はcAMP、cGMPの分解を抑止することで、これらの細胞内の濃度を高める働きがあります。PDE4は、炎症性サイトカイン産生を促すためPDE4阻害薬は炎症性サイトカイン産生を抑制し、抗炎症作用があると考えられます。マクロファージ遊走阻止因子(MIF)は炎症性サイトカインの一つで、免疫反応、炎症反応のイニシエーターとして機能します。MIFの過剰発現は悪性疾患、自己免疫疾患、神経疾患、敗血症など様々な疾患で見られます。MN-166はMIFを阻害することで、MIFの過剰発現が深く関与する疾患において治療効果が期待されます。
今まで多くのin-vitro スタディ(細胞を用いた研究)、in-vivoスタディ(動物を用いた研究)でMN-166の効果が確認されてきました。脳のグリア細胞の異常活性を抑える作用、神経保護作用、異常タンパクの分解を助けるオートファジー亢進作用、特定の癌の遠隔転移をブロックする作用などが確認されています。

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