MN-166

薬物・嗜好品依存症

覚醒剤(メタンフェタミン)依存症とは?

薬物依存症の一つです。覚醒剤(メタンフェタミン)は中枢神経を刺激し興奮・活性化させる働きがあります。強い中枢神経興奮作用があり、薬剤耐性、依存性が高いことが知られています。過去には疲労回復薬として市販されていたこともありますが、現在の日本では、限定的な医療・研究にのみ用いられており、覚醒剤取締法により厳しく管理されていて、違法な使用や流通は罰則の対象となります。覚醒剤を欲する気持ちをコントロールできなかったり(精神依存)、覚醒剤の作用が切れると不快な禁断症状が現れる(身体依存)ことで違法でありながらも覚醒剤の使用をやめられない病気です。

患者数など病気の規模は?

米国の薬物乱用・精神衛生管理庁による2020年調査によると、1年以内にメタンフェタミン使用を報告した人(12歳以上)は250万人にも上ります。

現在ある治療法は?

専門機関やサポートグループでのカウンセリングや認知行動療法などがあります。また、薬物使用で生じる幻覚、睡眠障害などの症状に対処する治療はありますが、現在のところ、依存症の本質的な病態を治す治療薬として承認されている薬はありません。

メディシノバの治験について

現在実施中の臨床治験は、無作為化・二重盲検・プラセボ対照デザインのフェーズ2治験で、オレゴン保健科学大学にて実施中です。現在は覚醒剤から離脱中でリハビリテーション施設に入所中の覚醒剤依存症患者を対象としています。MN-166またはプラセボで6週間治療します。MN-166の脳内での神経炎症抑制効果を磁気共鳴分校法(MRS)陽電子放出断層撮影法(PET)などの画像診断を用いて評価します。本治験は米国国立薬物乱用研究所(NIDA)、米国退役軍人省から研究助成金を受けて、共同で行われています。

薬事規制における指定などの関して

米国食品医薬品局(FDA)からメタンフェタミン依存症の適応においてファストトラック (優先承認)の指定承認を受けています。

アルコール使用障害(アルコール依存症)とは?

薬物・嗜好品依存症の一つです。習慣的に飲酒するうちに、アルコールを欲する気持ちを抑えらず飲酒量をコントロールできなくなったり、お酒が切れるとイライラしたり手が震えたりなどの離脱症状が現れたりします。離脱症状が現れるほど進行すると、患者一人の力で治すことは困難です。これは本人の意思の弱さに起因するのではなく、脳内のドーパミン報酬系の異常が原因です。

患者数など病気の規模は?

米国の薬物乱用・精神衛生管理庁による2019年調査によると、全米のアルコール使用障害患者(12歳以上の依存症、乱用患者)は約1,500万人に上ります。また、米国での過剰なアルコール使用による経済負担は、2010年の1年間で2,490億米ドルに及びました(米国疾病対策予防センター調査)。

現在ある治療法は?

薬物療法としては、アルコール離脱症状・禁断症状を軽減する薬、アルコール欲求を減らす薬、アルコールを摂取すると具合が悪くなる薬(そのためアルコールを避けるようになる)などがあります。

メディシノバの治験について

現在実施中の臨床治験は、無作為化・二重盲検・プラセボ対照デザインのフェーズ2治験でペンシルベニア大学にて実施中です。DSM-5 (訳注:精神疾患の診断・統計マニュアル)でアルコール使用障害と診断された、治療意欲のある患者さんを対象としています。MN-166またはプラセボで6週間治療します。MN-166の治療効果をアルコール摂取の頻度の変化、アルコール摂取量、アルコールを飲まずにいられた日の度合いなどを用いて評価します。
本治験は米国国立アルコール濫用/依存症研究所(NIAAA)から研究助成金を受けて、共同で行われています。

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