開発パイプラインについて
MN-166神経系疾患治療薬
MN-166(イブジラスト)とは
イブジラストは、日本と韓国で、喘息および脳梗塞発作後の症状の治療薬としてすでに27年以上使用されている経口投与の低分子化合物です。当社は現在MN-166は、ファースト・イン・クラスの経口摂取可能な低分子化合物で、ホスホジエステラーゼ-4および10の阻害剤、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)阻害剤で、炎症促進作用のあるサイトカインなどを阻害する働きを有しており、また、グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和することがわかっています。前臨床研究および臨床研究において抗神経炎症作用および神経保護作用を有することが確認されています。
当社は、MN-166を進行型多発性硬化症およびALS(筋萎縮性側索硬化症)、薬物依存などの神経症状の治療薬として開発しています。
ファースト・イン・クラス
画期的医薬品のこと。特に新規性・有用性が高く、従来の治療体系を大幅に変えるような独創的医薬品を言う。
低分子化合物
分子量の小さい化合物。分子量が1万以下のものを指すことが多い。
ホスホジエステラーゼ-4および10の阻害剤
ホスホジエステラーゼ(PDE)を阻害することにより、CAMP・CGMPの細胞内濃度を上昇させる薬。
マクロファージ遊走阻止因子(MIF)
MIFは、活性化Tリンパ球より分泌される最初のリンフォカインとして報告され、マクロファージの遊走を制御し炎症部位にマクロファージを集め、炎症、免疫反応を惹起する液性因子。
サイトカイン
細胞から放出され、種々の細胞間相互作用を媒介するタンパク質性因子を総称してサイトカインと呼ぶ。
グリア細胞
人間の脳は1,000億個以上のニューロンとその10倍以上ものグリア細胞から成り立っている。グリア細胞は、神経細胞の生存や発達機能発現のための脳内環境の維持と代謝的支援を行っており、神経伝達速度を上げるためのミエリン鞘を作る「オリゴデンドロサイト」や、中枢系の免疫担当である「ミクログリア」などがある。慢性疼痛や麻薬中毒の進展に関与していることが報告されているほか、痛みの原因がないにも関わらず慢性的に疼痛に悩まされる現象にも、グリア細胞が関与している可能性がある。
前臨床研究
動物試験や品質試験を通じて、安定性をはじめ、有効性・安全性を確認するなどの臨床研究の前段階の開発・研究。
ルー・ゲーリック病
アメリカの著名な大リーグ野球選手ルー・ゲーリックがALS(筋萎縮性側索硬化症)に罹患したことからALSの別称としてこう呼ばれている。
MN-166の適応症

進行型多発性硬化症
多発性硬化症は、脳やせき髄、視神経に病巣ができて脳から全身への司令が適切に伝わらなくなる病気で、歩行、視覚、知力など様々な身体機能の障害症状が現れます。このうち進行型多発性硬化症は、再発や寛解を経ることなく、これらの障害症状が進行し続けます。
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