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開発パイプラインについて

CIPN(化学療法誘発性末梢神経障害)

CIPN(化学療法誘発性末梢神経障害)とは?

末梢神経障害は、脳および脊髄から起始し、末梢へ延びる神経への損傷によって引き起こされる一連の症状です。これらの末梢へと延びる神経は末梢神経と呼ばれます。がん治療に使用される化学療法および他の薬物のいくつかは、手足などに感覚を伝える末梢神経に損傷を与えることがあります。この損傷はCIPNをもたらし、がん治療の化学療法でよく見られる副作用です。
多くの場合、患者は自身のつま先や指先に「ピンや針で刺されているようだ」と不快を訴えます。そのため、やむを得えず化学療法の投薬量を減量したり、早期の治療中止につながり、がんの転帰に影響し、患者のQOLや生存に重大な影響を及ぼす可能性があります。
CIPNは「抗がん剤による末梢神経障害」とも呼ばれ、結腸・直腸・胃・小腸などの消化器がん患者の生存を改善するオキサリプラチンによる末梢神経障害もその一つです。急性発症および慢性の2つがあり、血液毒性以外の毒性としては、最も多く見られるものです。急性の神経毒性はオキサリプラチン投薬中、または投薬後数時間以内に症状が認められることが多いです。薬剤蓄積による慢性の神経障害は、治療薬量を制限したり、患者の日常生活の活動性を制限するほど重度になることがあります。これらの神経毒性の発症機序としては、オキサリプラチンにより引き起こされる中枢および背根神経節の神経炎症が関与しているといわれています。

患者数など病気の規模は?

4,000人を超える患者を含むメタ分析によれば、有病率は化学療法後の最初の1カ月で68%、3カ月で60%、6カ月以上で30%とされます。長期にわたる神経毒性は、乳がんおよび結腸がんの治療を受けている患者で最も多いといわれ、増加しているがん生存者にとって重要な問題です。

※Seretny Mらの「発生率、罹患率、化学療法誘発性末梢ニューロパチー:系統的レビューおよびメタ分析」より

良い薬はないの?

いまだに有効な治療方法が確立されていません。
化学療法誘発性末梢神経障害の発症には、グリア細胞の活性化が関与していると考えられており、活性グリア細胞抑制作用を持つMN-166は、この治療に効果があると期待されます。

メディシノバの開発はどこまで進んでいるの?

2018年3月に、MN-166の化学療法誘発性末梢神経障害の治療効果を評価するためのフェーズ2臨床治験を開始しました。
本治験はシドニー大学コンコルド癌センター教授のジャネット・バーディー医師との共同研究で、同センターから治験研究費をサポートされており、当社は、イブジラストの提供のほか、薬事サポート、科学的およびデータ分析的な支援を提供します。
転移性消化器がん(大腸・直腸・結腸がんや上消化器がん)の化学療法として、オキサリプラチンを投与される患者20名を対象に、イブジラストの効果を評価します。
治験参加者は、通常の化学療法サイクル中に、薬物動態解析や神経毒性の評価を受け、引き続き次のサイクルでは、化学療法とともにイブジラストを経口で30㎎・1日2回併用したうえで、同じ解析・評価を行います。化学療法誘発性末梢神経障害の評価は、治療開始前(ベースライン)、化学療法開始3日目、化学療法サイクル最終日、および3カ月後に行います。治験薬の臨床効果のほか、安全性や服薬遵守についても評価します。

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